【完】青春PLAYBALL!!

黒須先生は、だまって俺の顔を見つめた。


「だけど、一番大きな味方は木波。お前だよな」


黒須先生は俺の手を握り、握手をした。


「三先とのこともあったから、俺はてっきり、柚は女子野球に打ち込んでくのかと思ってたんだがな」


黒須先生は意味ありげに、にんまりと微笑んだ。


「柚の気持ちを無駄にしないためにも俺、残りの時間必死に練習します。ご指導よろしくお願いします」


俺は黒須先生の手をぎゅっと握りかえすと、深々と頭を下げた。


「三先に勝て、木波」


顔を上げるとそこには、ふっきれたような晴れ晴れとした黒須先生の顔があった。




黒須先生は何も言わなくたって、柚のことを分かってるんだ―――。