2月。




窓の外では太陽に反射した小さな雪が、チラチラと輝きながら空を舞っている。


「尚哉、あーん」


満面の笑顔で、箸につまんだニンジンを俺に押しつける柚。


「いや、いいって・・・・・・」


「いいからいいから、照れないで」


「・・・・・・つーか苦手なだけじゃん。食べろよ」


「・・・・・・」


柚は眉間にしわを寄せながら、ニンジンを口の中に放り込んだ。

前歯で小さくかじってまずそうな顔をしている。

そんな柚を見て俺は微笑んだ。



可愛い・・・・・・。




「尚哉、何にやけてんの?もー・・・のろけるのはやめてくれよな」


修平がからかうように俺の肩をぐいっと引き寄せた。


「は!?お前に言われたくないけど」


「とか言って木波君、顔真っ赤なんだけど」


「ねー。尚哉、可愛いよね」


まもりと柚は二人で顔を見合わせて笑い合っている。