「尚哉は私が女でも、同じように野球をしてくれた。一緒にマウンドに立つことを望んでくれた。こんな私を、こんなに好きになってくれるのは尚哉しかいないよ」


「まぁ・・・俺、普通じゃないから」


「ぷ・・・それ私が最初に言ったんだっけ?」


「え?俺じゃない?」



二人で笑い合った。




二人の気持ちが初めて重なった修学旅行の夜。

俺の心の中にあったわだかまりは消えた。


柚は俺の隣にいてくれて、俺が隣にいることを望んでくれている。



その日以来俺は、勝守りを手放すことはなかった。

そしてそれは柚も同じだった。




俺たちの気持ちは強く強く結ばれた。