【完】青春PLAYBALL!!

裏の攻撃も抑え、みんながいけるかもしれないと淡い期待を抱いていた五回裏。


俺は、甘く入った外角よりのストレートを4番バッターにあっさりと打たれてしまった。


ノーアウトランナー一塁。


続く五番。

カウントはツーストライクワンボール。

カウントが圧倒的に有利だ。


俺はバッターに食い込むようなシンカーを投げた。



コキッ



ラッキーだった。

相手はバントではなく攻めてきた。

バットの芯からはずれた打球はファーストのオダジ先輩の前にコロコロ転がる。


「先輩、ファーストだ!」


修平が素早くファーストに入る。

オダジ先輩は前のめりになりながら、なんとかボールを捕ると、ファーストへ投げた。


アウト。


左足をセカンドベースに向けた上体でボールを捕った修平は、セカンドにいる七海に素早くボール投げる。


「セーフ!」


「あー!クソッ!」


修平が悔しそうに地面の土を足で舞あげた。