そっか・・・決まったんだ。



だけど決まったってことは、予選一緒に出られないのかな?


そんなことを思いながら柚を見つめていると目があった。

柚は嬉しそうににっこり笑って、俺にVサインを向けた。


「おーっし!みんなで柚さんを胴上げしましょう!」


ハルが柚の手を取り、上にグイっとあげた。


「お、いいねいいね!」


「おーっしいくぞ!」


「みんな集まれ!やるぞ!」


柚の周りにワラワラとみんなが集まる。

俺もみんなと一緒になって柚を胴上げした。


胴上げされた柚は、大きく手を万歳して空に舞った。



「ありがとー!!」









――――それから三日後。

柚が台北へ立つ日。

朝練へ向かうバスの中で携帯が鳴った。