「木波、ちょっと」


会議が終わり練習に行こうとすると、俺は黒須先生に呼ばれた。

俺の隣にいた柚が不審そうに眉を歪め、俺に目を合わせると首をひねった。


「はい」


俺はそう答えると、黒須先生と共にもう一度会議室へ入った。


「まぁ、ちょっとここに座れ」


黒須先生はパイプ椅子を広げ、俺に座るように促した。


妙にそわそわしている黒須先生。

いったいなんの話しなんだろう。



ギシっと重い音を立てて、黒須先生がもう一つ出したパイプ椅子に座った。


「・・・・・・さっき実践がしたいって言ってたよな?」


黒須先生がグッと身を乗り出し話しを切り出す。


「・・・・・・はい」


俺は迷いながらも首を縦に振った。


「んー・・・・・・」


黒須先生は乗り出した身をパイプ椅子の背もたれに戻し、腕を組んだ。