「俺ももう記憶から消えかかってんだ。お前とキャッチボールしてから・・・女としてる感覚なかったしな」


その言葉を聞いた柚は、俺の顔を見て優しく微笑んだ。


「そう見られる方が、私は嬉しい」


「そりゃそうだろうな。甲子園で優勝目指してるんだから、そう見られなきゃいやだろ?」


柚は俺の言葉に、驚いたように目を丸くした。


「信じてくれてる・・・んだ」


「え?だって、お前はそのつもりで野球してるんだろ?」


柚はしばらく黙りこくって、俺の手をぎゅっと握った。