「柚がどんな思いで、野球して・・・なんで甲子園で優勝しようとしてたか分かるか?柚はな、優勝したらお前とまた野球出来るんじゃないかって・・・そう思ってたんだぞ?なのに手加減なんかしやがって!!」


「木・・・尚哉!もういいからやめて!」


三先に向かって身を乗り出した俺を、柚が腕を掴み必死に引き戻した。

三先は俺が放った言葉に呆然としていた。


「柚の気持ちに答えてやれよ。本気に・・・本気になれよ」


俺は力なく三先に言い放つと、柚と三先を残しその場から離れた。





負けたくない。





絶対に、三先にだけは・・・・・・!



野球のことも。




・・・・・・そして柚のことも。






2年目の夏まであと少し――――。