その時、一番聞きたくない声が後ろから聞こえた。


「だから無理させんなって言ったじゃねえか」


三先だった。

柚の背中がビクっと大きく動いた。


「別に具合悪くてこうなってんじゃねえよ」


俺は、柚を隠すように立ち上がって、三先の前に立ちはだかった。


「・・・・・・じゃあなんで?なんでこうやってうずくまってんだよ?」


三先が俺を睨み付けた。


「なんで?お前なんも分かってないのか?お前が手加減したからだろ?」


俺の言葉を聴いて、柚が慌てて立ち上がった。


「木波!いいから!」


柚が必死に俺を止めたけど、俺は止まらなかった。