【完】青春PLAYBALL!!

緊張がほぐれた俺は、一回表を三人で抑えることが出来た。


「よし、木波!いいぞ」


黒須先生が右手を出し、ベンチで迎える。

俺はその右手に答えるように、黒須先生の手をパチンと叩いた。

なんだか照れくさかった。


「うっし!じゃあ行ってきます!」


一番バッターの修平がヘルメットを被り、バッドを左右にブンブン振りながらバッターボックスへ向かっていった。


「甲子園一回戦負けだっていっても、甲子園出場投手だからな。やっぱり去年よりも速くなってるのかな?」


七海がピッチング練習をする三先を見ながら言った。


「んー。俺、選抜見にいったんですけど、その時は速くはなってなかったっすね。まぁMAX140キロっすから、速くなられたら困りますけど」


ハルが苦笑いをしながら答えた。


「最初はカットしながら、出来るだけボールを投げさせるようにねばっていこう」


柚が俺たちに、落ち着いた口調で諭すよう言った。