【完】青春PLAYBALL!!

走っていく柚を見つめていると、三先の低い声が俺の背中を突き刺した。


「お前、何考えてんの?何で柚に無理させるんだよ」


俺は振り向いて三先に負けじとすごんだ。


「何考えてんのはこっちの台詞だけど?お前今まで柚の何見てきたんだよ」


一触即発。

俺と三先の睨み合いが続く。


それを止めたのは、水くみをしにきた綾だった。


「尚哉、三先!ちょっと・・・どうしたの?」


「なんでもない」


三先は怒りをこめたような深いため息をつくと、帽子を深く被り直し、グラウンドへ向かっていった。


「尚哉、大丈夫?」


綾が心配そうに尋ねる。


「ごめんな、気にしないで・・・俺着替えてくるから」


俺はその場を後にし、着替えるために体育館に向かった。