【完】青春PLAYBALL!!

柚と目があった俺は、しばらく柚を見つめ、コンビニで買ってきたビニール袋の中に目を落とした。



俺は・・・・・・。



俺は唇をキュっと結び治すと、柚に近づき、ビニール袋をズイっと渡した。


「これ、買ってきた」


「これ何?」


柚がビニール袋を受け取り、中を覗く。


「とりあえず、それ飲めば試合中は持ちこたえられるだろ?」


俺が買ってきたのは葛根湯。

今まで、甲子園を目指して俺たちと一緒に練習してきた柚には、絶対に試合に出て欲しかった。


無理をしてでも。


それが俺が柚にしてやれる・・・したいと思ったことだった。


「ありがとう木波!これ飲んで元気取り戻すよ」


柚はにっこり笑って、胸に袋をギュッと抱きしめると、グラウンドへ向かって走っていった。