「土根は甲子園出場常連校だからね。柚のお仲間さんは結構いるよ」


まもりが得意気に答えた。


「知り合いといってもボーイズチームだった子がほとんどだよ?」


その言葉を聞いて、俺は大きな違和感を感じた。

綾のメールの内容よりも、そちらが気になってしょうがなかった。


「どうしてお前、土根にいかなかったんだ?」


だって可笑しいだろ?

仲間がいて、しかも甲子園に一番近い高校。

どうして柚はそこに行かなかったんだ?



それを聞いた柚は、俺の顔をしばらく見つめ下を向きうっすら笑った。

その後首を少しひねった。


「さあ、なんでだろ?」


そう言った柚は、俺の顔を見て寂しそうに微笑んだ。