学校へ到着して気づく。


「あれ?いない」


グラウンドには、いつもいる柚の姿も、ハルの姿も無かった。

柚に会えるとドキドキしてたのに。


なんだか気が抜けて、俺はため息をついた。


その時


「っわ!」


「うお!?」


後ろから突然大きな声が聞こえて、俺は脅いた。

落ち着いたはずの俺の心臓は、またドクドクと音を立てて鳴り始めた。


「あははっ!木波、驚いた?」


振り向くとそこには、いつもと変わらない柚の笑顔があった。


「ダメだ、超可笑しい。木波のあんな驚いた顔初めて見たかも」


柚はお腹を抱えて爆笑していた。


「そんな、笑うなよ」


驚かされて少し悔しかった。

けどなんでだろう?

柚の笑顔を見たら自然と笑顔がこぼれた。