「修平、ごめん。先に帰ってて」


「え?尚哉?急にど・・・・・・」


修平の言葉を最後まで聴かないまま、俺はバスから飛び降りた。


飛び降りてから気づいた。


「あ、荷物・・・・・・」



プシュー・・・・・・



バスの扉は非情にも閉まってしまった。

窓ガラス越しに、ポカンとした表情で俺を見つめる修平。

俺は修平に手を合わせた。


「ゴメン!よろしく!」


俺は修平に伝えると、学校に向かって駆けた。






そんなに辛いなら行くなよ、柚。




俺たちと・・・俺と一緒に野球をしよう。



一人じゃなくて一緒に行こう。



本当はどこにも行ってほしくないんだ。