立ち上がった汐崎の肩に、黒須先生の手がポンと乗っかる。


「汐崎なんだが、あさってからまたワールドカップの強化合宿に行くことになった」


「おお!柚さんガンバです!」


ハルが一番に手を叩き、みんなもそれにつられて手を叩いた。

俺も笑って手を叩いた。


本当は行って欲しくない・・・・・・。


手を叩きながら、あの日、柚がつぶやいた弱音を思い出していた。


まだ吹っ切れてないとしたら、きっと柚は・・・・・・。

そう思い柚の表情を確認する。

やっぱり柚は俺の思った通り、笑っていなかった。

表面上笑ってるけど、あれは作り笑いだってすぐに分かった。

あの日に見えなかった柚の表情が、今は手に取るように分かる。



胸が痛んだ。




柚は無理してる・・・・・・。





激励ムードの中、バーベキュー会は終わった。