【完】青春PLAYBALL！！

柚を見ていたときに、傍らにあるバットに気がついた。


「もしかして素振りしてたの？」


「ハハ。ばれた？」


柚は恥ずかしそうに笑った。


「最近、練習してないと不安で・・・・・・」


「なんで？」


「ワールドカップ・・・代表候補にはなったけど、本番選ばれないんじゃないかって」


柚は下を俯きバットをぎゅっと体に引き寄せた。

こんなに弱気な柚を見たのは初めてだった。


「なんかさ、今だけで精一杯っていうか・・・こんなの初めて。今まで甘えた状況の中にいたんだなってつくづく思う」


「甘えた状況って？なんで？男子の中でやってきたんだから、むしろ辛いだろ？」


柚の言葉が不思議でたまらなかった。