【完】青春PLAYBALL！！

寝泊まりは体育館横にある、剣道場。


ミーティングのために、小さな円を作る。


ハルは予想通り、柚の近くに席をとっていた。

間を挟むように和由はいるけど、親しげに話す柚とハルの姿を見ているとどうしようもないイライラが俺を襲った。


俺は二人が見えない位置に座った。


ミーティングの内容なんて全く頭に入らなかった。

ずっと答えが出なくて、同じことの繰り返し。


綾の顔が浮かんで、言葉が浮かんで。

そして柚の顔が浮かんで、言葉が浮かんで。



俺は柚が好きなのか？


でもそうだとしたら、今まで綾に抱いていたこの思いは？


分からなかった。

就寝時間を過ぎても答えは出なかった。




考えているうちに、みんなの寝息が妙にうるさく感じて、俺はそっと立ち上がって剣道場から出ようとした。


その時ふと気づく。

剣道場の入り口、階段になっている場所に座っている誰かの姿を。