【完】青春PLAYBALL!!

「たまたまな。で、お前筋肉つけて汐崎に腕相撲勝ったの?」


「はい。柚さんが中学校卒業するときに勝負挑んで勝ちましたよ」


ハルはムキっと膨らんだ右腕を自慢げに見せながら笑顔で答えた。


「へえ。じゃあ今も鍛え続けてるのは自分のため?」


「まぁ、そうっすね。なんか照れくさいっすけど・・・背ちっちゃいからパワーないって思われたくないですし。きっかけは柚さんでしたけど、今は自分のためにやってます」


「そっか。一人でも頑張れるってすごいな」


俺はまだ自分のためにって野球が出来ていない。


「単純なんですよ。目標に柚さんと三先さんがいるから。そこに向かって行こうとしてるだけっすよ」


「俺はそんなに単純に出来ないな。いろんな事で悩んでる」


不思議だ。

ハルにこんなことまで話してる。

いつもと違う場所にいるからなのかな。