5月。


東実高校野球部の今年のゴールデンウイークは無かった。


黒須先生が「今年の野球部はいける!」と張り切ってゴールデンウィーク合宿をすることになったのだ。


「四泊五日か・・・まもりとずっと一緒にいられるんだ」


そんなお気楽なことを言っているのは修平。

大きな荷物を抱えながら、にやにやと笑っている。


修平は荷物重くないのかな?

俺、バス停から少ししか歩いてないのに、結構汗だらだらなんだけど・・・・・・。


まもりパワー?



校門まで歩いていくと、反対側から荷物が歩いてきた。

じゃない・・・たくさんの荷物に体が隠れてしまってるハルだ。


「あっ!木波先輩、おはようございます!」


ハルが俺に気づいて挨拶をしてきた。