「あの!俺、本気で柚さんが好きなんです!」


ハルが立ち上がった俺の腕を掴み、叫んだ。


ドキっとした。


好き?

ハルが?

柚を?


憧れじゃ・・・ないんだ。


「なんで?なんでそんなこと俺に言うんだよ」


「なんとなく・・・木波先輩は柚さんのこと好きなのかなって思ったので。釘刺しとこうと思って」


「好きって・・まだ言ってんのか?んなわけないって」


俺には綾がいるんだぞ?

それに柚は三先が好きだし。


もし仮に好きになったとしても、俺にいいこと一つもないじゃん。


「俺が柚さん見てると、木波先輩もいつも柚さんを見てるじゃないですか!二股はダメっすからね」


「お前、勝手に決めつけるなよ」


俺はハルの手を振り払った。

胸がモヤモヤした。