着替えを終え、ベンチでグローブを磨きながら修平を待っていると、グローブに影が落ちた。


俺は顔を上げた。


「ハル?どうした?」


俺の目の前に立っていたのはハルだった。

ライトの逆光で眩しかったから、すぐに目を伏せたけど、坊主のシルエットですぐにハルだと分かった。


「木波先輩に、ちょっとお聞きしたいことがありまして」


「うん。何?」


「あ・・・あの!木波先輩は柚さんの事好きなんっすか?」


「は!?何それ」


俺は驚きの声をあげた。


「実際のとこどうなんっすか?」


「いや・・・実際もなにも。柚には好きなやつがいるし。俺には彼女がいるし」


「え!?木波さん、三先さんのこと・・・ってか彼女?いや、でも・・・・・・」


ハルは時々首をひねりながら、ぶつぶつと呟いている。


部室から修平が出てくる姿が見えたので、俺はベンチから立ち上がった。