【完】青春PLAYBALL!!

「・・・・・・木波と・・・木波と一緒に練習できなくなるのは、ヤダ」


柚が唇をとがらせ、すねたような表情でボソっと呟く。


「は!?」


柚の口からこぼれたのは、普段絶対出ないような可愛らしい台詞。

俺は耳を疑った。


「今なんて・・・なんか今日の汐崎変・・・じゃね?」


「へ、変!?変って何よ。失礼な!ただ、なんだか・・・・・・」


「なんだか?」


「なんていうか・・・!木波は同志っていうか。だから一緒に練習すると、やるぞーって気になって。だから・・・・・・」


なんだ・・・そういうことか。


「じゃ、いいじゃん。いつも通りに練習しようぜ」


「・・・・・・うん、うん!そうだね!」


いつもの柚に戻った。


「と、決まったらやるぞー!!!練習休みな分走り込む!」


柚はグラウンドを全速力でダッシュしはじめた。

柚の弾けるような元気に、俺まで自然と笑顔になった。