【完】青春PLAYBALL!!

ゴクリと一口飲み込む。


俺は缶を見つめながら綾の言葉を思い出してた。


知らなかった。

綾って俺のことあんな風に見てたんだ。


缶をコトンとテーブルの上に置き、プルタブを指先でカチンと鳴らしてみる。


「はあ・・・・・・」


まだ唇にあの感覚が残っているようで、なんだか切なくなった。


『野球してない尚哉は・・・嫌い』


俺そう言われて綾に振られたんだっけ。

いつも答えを隠したがる綾なのに、その時だけは、ハッキリを俺に答えを出したんだよな。


あいつはどんな気持ちでキスしたんだ?

いや、キスってより口移しだよな。

あいつの中ではキスじゃないのか?

そうだよな、ただ介抱しただけだもんな。


いや、でも・・・・・・。


そんなことを悶々を考えてるうちに夜が明けていた。