俺は担架で土根高校の保健室のベッドに運ばれた。


「ごめん」


「尚哉、こんな時に何言ってるの?今ね、東実に電話かけてもらってるから。とりあえず、ポカリ飲める?」


綾はポカリの缶を俺に差し出してくれた。

受け取ろうとしたけど腕や手に力が入らなくて自分の体も上手く動かせない。


「なんか、動けねぇ・・・・・・」


「・・・・・・じゃあ嫌かもしれないけど、我慢してね」


「え?何・・・ん!?」


綾はそう言うと俺に口づけをした。


冷たいポカリが口の中に流れ込む。

俺の喉はそれを受け入れるかのように必死にゴクゴクと音を鳴らした。


綾はその様子を見て安心したように、にっこり笑った。

そして何度も、何度も口移ししてくれた。