プシュー。


バスが停留所に止まった。

俺と修平はだまってバスを降りる。

とぼとぼと家へ向かう修平。

俺はそんな寂しそうな背中を見て、いてもたってもいられなくて・・・・・・。


「修平!」


修平を呼び止めた。

修平がゆっくりと振り向く。


「あのな、俺また本気で野球やってみようと思うんだ!」


修平が勢いよく体ごと振り向く。


「え、何?いきなり・・・・・・」


「後悔したくないし。
今度はお前を泣かせない。途中で諦めない。俺、あの時お前が側にいてくれて嬉しかったよ」


言葉が次から次へとあふれ出す。

止まらなかった。


「しーっ!尚哉、お前声でかいって。はたから聞けば、なんだか怪しい告白みたいじゃん」


修平が小走りで俺に駆け寄る。


やばい。

つい熱くなって声が大きくなってた。


修平は周りを気にする俺を見て笑った。


「何笑ってるんだよ」


「うん。ありがとう尚哉、お前の言いたいこと分かった。そうだよな。俺しつこい男だからさ。やっぱり嫌われても側にいたい。それじゃ!」


修平は大きく手を振り歩き出した。

修平は歩きながらポケットの中から携帯を取り出して、電話をかけている。

まもりにでもかけてるのかな?


元気よく歩き出した修平に安心した俺は、修平に背を向け家に向かった。