「まあ、気にすんな。俺らはいつもと同じようにしてればいんだよ。さ、行こうぜ」


俺は部室のドアノブを回した。


まもりがそれに気づいて、ほっとしたような表情でこちらに駆け寄ってくる。

それを泣きそうな顔で見守る修平。

口がへの字だ。

あれは相当我慢してる。



帰りのバスの中気落ちして窓の外を眺めている修平に、俺は聞いてみた。


「お前、相川に何したんだよ。まぁ言いたくないなら言わなくていいけど。ちゃんと謝ったのか?」


「謝ったよ・・・けどそっからどうしていいか分かんない」


修平は窓の外を見つめながら表情を変えずにつぶやいた。


「どうしたらいいか分からなくても、お前は俺の側にいてくれただろ?今度もそうすればいいんじゃないの?」


「そうすればって?」


修平はすがりつくような目で俺を見つめた。


「中学の時、俺が嫌がっててもお前はずっと側にいただろ?その時みたいにすればいいじゃん」


「嫌がってても、尚哉は俺のこと好きだって分かってたもん・・・・・・。まもりちゃんはそうじゃない」


修平はぷいっとそっぽを向いた。


「好きって・・・いや、確かにそうだけど・・・別に相川もお前のこと嫌いじゃないと思うぞ?」


「・・・・・・・」