「お願いですからあたしをここに置いて下さい。
もう行き場が無いんです。」


「だから俺には決められねぇよ。
今ここで全部話してくれれば頼んでやってもいいけど。」


乃愛は目を閉じ俯いたまま動かなくなった。


゙俺、ヤバい事聞いたかな…"


「あたし…」


永倉が手を差し伸べようとした時、乃愛が話し始めた。


「あたしの家は武士の家系でした。
端から見れば幸せな家庭です。
でも、あたしからすれば地獄でした。」