「なぁ。」


「ほっといて下さい。」


「なぁ。」


「……。」


布団越しに揺さぶってみるが彼女の殻はひびさえ入らない。


「名前は?」


「………乃愛。」


「乃愛か、俺は新撰組二番隊組長の永倉新八だ。
新八って呼んでもいいぜ。
てか、呼ばないと殺す。」


永倉はさらしをしまい、障子を開けた。


「寒い…秋なのに…」


「布団から出ないと閉めねぇ。」


「変態…」


「張り倒すぞ!?!?」


「はいはい。」


乃愛は布団から出ると綺麗に畳んだ。