食事を終えると同時に
「どこからいらしたんですか?」と金髪の女性は言った。

それに付け加えるように
「あ、すみません。自己紹介がまだでしたね。私ミルといいます」
「自分はライト。旅をしてるんだ」

「いまの世界をですか…?」
ミルと名乗った女性は少し驚きながら、戸惑ったように言葉を返す。


「まぁ…。さっきみたいに飢え死にしそうになるときも結構あるけど」
ライトは苦笑しながら答えた。そりゃぁ驚くだろな…かなり危険なわけだし。

「えっと…汚染獣にあったりしないんですか?」
ミルは眉を少し上げ、恐る恐る聞いた。


汚染獣。
それは今の世では化け物、怪物を意味する。
各地で大地が腐り始めた同時期に突然現れた人を襲う凶暴な生物だ。
その種は様々で小さいもので大体1メートルやそこらだが、
大きいもので20メートルを越すものもいる。
腐り果てた大地でも生きていけることから汚染された獣、つまり汚染獣と人々は呼ぶ。

とにかく通常の人からすればかなり危険なものだ。