私は章也くんの言葉に何だか寂しい気持ちになりながら「そっか」と頷いた。

 やはり親の考え一つで、子供の状況が変わる。危ないから遅くまで外に出ちゃいけません、とか親が言っているのだろうか? 

 ギィーと音がして私の隣のブランコに章也くんが座った。座りながら「ちいせえな」なんて文句を言っている。

「まあ、子供のだからね」

 私はブランコを軽く漕ぎながら小さく笑った。

「なあ、最近、お前、変だよな」

 俺のせいか?と尋ねてくる章也くんに、私は違うよと答えた。

「岩田くんのせいじゃないよ」

 そう、章也くんのせいじゃない。私が変だとしたらそれは私のせいだ。私の中の気持ちに大きな問題がある。

「じゃあ……」

 何か言いかけて章也くんは言葉を呑んだ。本当は何があったんだ?と聞こうとした

に違いない。しかし、自分がそんな立場にない事を思い出したのだろう。

「章也くん、この間、私に好きだって言ったよね?」

 唐突に思いがけない事を言われた章也くんは顔を赤くしながら、うん、と頷いた。

「今も私のこと好き?」

 一瞬、気まずい空気が私と章也くんを包んだ。

重たい沈黙。

「……好きだよ」

「本当に?」

「うん」