その日からあたしは 気がつけば彼のことを考えていた。 あの笑顔とか、散らばった物を拾う大きな手とか とにかく彼が忘れられなくて。 な、の、に 名前しか聞けなかった。 しかも自分の名前は名乗ってない…。 何やってんだ、あたし! 思わず壁に頭を打ち付けたくなるほどの自己嫌悪。 ところが、彼とはあれっきりなのかな…と諦めかけていた矢先、 新たな展開があたしを待っていた。