ピピピ…… 「ん……」 目覚ましが鳴ってる。 それには気づいてるんだけど、なかなか体が起こせない。 そのまま何もしないまま、バサっと布団をかぶると、いつのまにか目覚まし時計の音がとまった。 「…ちゃん」 「ん~…」 「歩ちゃん」 「あともうちょっと……」 ――歩ちゃん。 んん? あたしの事をそう呼ぶ人は限られてる。 親戚のおじさん達と、敏也くんと……