そこには正真正銘、

間宮くんが立っていた。


「ま、間宮くん!?」

「しぃっ!」

「むが」


思わず敏也くんに口を押さえられる。

そしてきょろきょろ辺りを見回した。



間宮くんも状況が分かってないみたいで、きょとんとしている。



「歩ちゃん。はい、あげる」

「はい?」


敏也くんはひょいっと間宮くんを部屋に押しやり、そして気がつくと横にいた美優の手をとった。



「代わりにコイツもらってくね」

「ごめんね、歩奈。先生きたらうまくごまかして」



美優が敏也くんの肩にぴょんっと頭を乗せた。



そしてあたしにだけ分かるように

軽くウインクした。