「あっ・・・・・・な、んか・・・ごめっ・・・」
流菜ちゃんはポロポロと流れる涙を、手の甲で拭きながら喋った。
・・・・・・あたしは、なんて声をかければいいの?
流菜ちゃんはとっても大きくて、とっても辛い思いを胸に抱いていた。
あたしが想像した以上に。
『辛かったね』
なんて同情に過ぎなくて。
そんなのあたしより、流菜ちゃん自身が1番よく分かってるに決まってる。
こんなとき、親切な人はどんな言葉をかけてあげるんだろう?
なにも頭に浮かんでこない、どうしたらいいのか分からない自分に嫌気がさす。
あたしはどうすることもできなくて、ただずっと流菜ちゃんを見ていたんだ。
佳耶は空を見ていた。
なにかを考えてるようにも見えたけど、本当のところはどうなのか分からない。
少しの間、流菜ちゃんが鼻をすする音だけがあたし達の周りを取り巻いていた。
「・・・ズッ・・・ん、なんかごめんね・・・・・・。・・・やっぱり・・・ひいた・・・?」
下を向いたまま言う流菜ちゃん。
不安そうなか細い声であたし達の返事を催促する。
ねぇ、流菜ちゃん。
あたしはこんな話を聞いても、全然ひいたりしないよ。
むしろ流菜ちゃんと一緒にいたいと思った。
なんでも相談して欲しいと思った。
だけどね、言葉が出てこない。
どんな言葉がピッタリなのか、分からないよ・・・。



