「はーい・・・」
朝一で雑巾がけをするなんて、昔のあたしには受け入れられないことだった。
でも今はそれすらを軽く受け流せるようになってきた。
本当に自分を褒め称えたい。
後から来た神崎涼と尾崎君とその他の人達も、弱メンによって廊下につまみ出された。
朝っぱらからクラスのメンバー数人で雑巾がけなんて、貴重な体験じゃない?
そう思いながら廊下を走っていると、この光景に思わず口元が緩む。
あたしはこの環境に、だんだん楽しみを見い出せてきていた。
流菜ちゃんが、
「ちょっと時間をかけて話したいんだ」
って言うから、昼休みにお弁当を食べながら聞くことになった。
時間をかけて話したいこと。
形のいい眉をたれさせた、流菜ちゃんのあの表情。
言いづらいこと?
大切なこと?
流菜ちゃんの話したいことって何だろう・・・。
授業中、頭はグチャグチャだった。
流菜ちゃんの話のこと、時折出てくる神崎涼と尾崎君の顔。
テストのために授業はちゃんと聞こうと思ってたんだけど・・・。
とてもじゃないけど、勉強なんか手につかない。



