「おはよっ・・・」
振り向きつつ、後ろから飛んできた声に反応する。
まだ言葉を交わすのは恥ずかしかったりするけど、普通に対応することもできるようになった。
当然神崎涼もいて、
「っ」
目まで合っちゃったけど、すぐ逸らされた。
キイイイィィィ!!
かっこいいけどやっぱりむかつく!
でもむかつくけどイライラなんてしないんだ。
昨日のことのせいかな。
神崎涼にとってはただのやり取りで、あたしを見る目が変わったわけでも何かが変わったわけでもないと思う。
神崎涼の態度で分かる。
じゃあ、あたしのこの悩みはどうしてくれんの?
階段を上り終わり廊下を歩いているとき、後ろにいるであろう神崎涼に訪い掛けた。
「はああ・・・」
でも返事が返ってくるわけがなく、毎日の習慣になりつつある溜め息を吐いた。
そして教室に入って待っていたのは、
「藤井、1往復」
弱メンによる雑巾がけ令。



