切恋~First Love~



「何かさあ、後ろで立ってたらさあ」


佳耶が団子になっている生徒たちの方を見ながら、かったるそうに話し始めた。


「ボーッと突っ立ってるならどけよ、みたいな感じでぶつかられた」


と言った瞬間佳耶の目つきが恐ろしくなった。


抑えて抑えてー。


「オス?メス?」


あたしは女だったら無理。


「・・・動物じゃないんだから。まあ、メスだよメス!」


佳耶はイライラした口調で言葉を吐いた。


確かにありえない。


「オスだったらまだよかったのにね」


あたしが言ったら、


「どっちも一緒だから」


一刀両断された。


まだ佳耶の話は終わらない。


「しかも偶然かわざとか知らないけど靴踏まれた!」


そう言って、片足で地面を踏みつけた。


佳耶の片方のローファーを見るとピカピカしている中に一部、薄く砂がついた汚れを発見。


・・・きつい。


「こっちは2日に1回磨いてんだっての!あー、もう最悪!!」


・・・えっ!!