適当にウロウロしていたときに見つけた。
団子状になってる生徒達の後ろで、面倒くさそうな顔をして立っている人。
金色に近い長い髪の毛をきれいに巻いている。
そして背の高いその身体に比例するように長くて、しなやかな足。
おまけにものすんごい小顔。
『美人』と言ったら多数決で可決されちゃう、遠くからでも分かるその人は・・・。
「佳耶ー!!」
あたしは人目構わず叫んだ。
佳耶は少しキョロキョロしてからあたしを見つけて、手を振ってくれた。
小走りで佳耶の所に行くと、
「うざい」
待っていたのは罵詈雑言。
苦い顔をして新学期一発目にあたしにくれた言葉は、『うざい』。
「・・・ひどー」
あたしは感情移入することもなく、棒読み。
「え?南美、違う違う!そこの団子になってる奴ら!」
そう言うとチッ、と舌打ちした。
・・・佳耶って怒るとこわいよね。
そう言いたいのを今まで何回堪えてきたんだろう?
ひとまず今は相槌第一。
「何でー?」
「・・・南美ってさ、能天気だよね」
佳耶はまるで子どもを見るかのような視線をあたしに送りながら、そう言った。
・・・そうかなあ。



