ガタンゴトン
ガタンゴトン
一定のリズムを奏でながら、どこかのんびりと進む電車。
あたしは首をひねって、窓の外に目をやった。
生まれてから、出会ったことのない独特の雰囲気。
同じ日本なのに、違う国に来たような感覚に陥る。
パラパラと、アルバムをめくるみたいに、どんどん変わる景色。
浮かんでは、消えて。
また浮かんでは、消えて。
どんどん、どんどん、出てくる。
いろいろな表情を見せて。
・・・今君は。
この沖縄という地の、どこか別の場所で。
何をしていますか?
「・・・・・・神崎、涼」
ぽつりと漏れた言葉が、誰かに聞かれていたのか。
それはあたしには分からない。
ただ。
ただ。
どうしようもなく、胸焦がれる。
これだけは確かで、変わらない。



