入った店はバイキング専門店だった。
店内の看板に大きな文字で『健康!安心!美味しい!安い!』と書かれていた。
アピール点多し。
そして壁にはヘチマやらニンジンやらナスやらなぜかシーサーまでもが描かれていて、なんだか違う世界に来たみたい。
・・・沖縄らしい。
全然見たことのない料理がいっぱいあって、5人で盛り上がった。
そしてそれが1人1000円なのだから、本当に太っ腹だと思う。
食べた後はひたすらぶらぶらしていた。
というかほとんど5人で語っていた。
・・・ホテルに帰ってからでもできるじゃんって話だけど。
「えっ!意外に入ってんじゃん!」
駅の改札の前で、佳耶が声をあげた。
あたし達は電車に乗るために、空港で渡されたお金の入った封筒を初めてあけた。
1枚、2枚、3枚、4枚・・・。
合計10枚の諭吉と顔を合わせた。
もうちょっと少ないかと思って、家からもお金を持ってきてたんだけど。
ラッキー!
「すごいな~。こんなお金どっから湧いてくるんやろ」
「湧いてくるって・・・。ちゃんと親が積み立ててたんだよ」
マナの言葉に流菜ちゃんが苦笑い。
そっか、流菜ちゃんは家庭が家庭だから自分で出してるのかもしれないな・・・。



