あの後、流菜ちゃんはしばらく黙っていたけど、たったの5分で限界みたいだった。
「南美ちゃん!」
また、声をかけられた。
雑巾がけ令まで出たのに懲りないんだね。
でもなんだか憎めないんだけど。
「何ー?」
出来るだけ小さい声で返事をした。
まあ周りも話をしたりしてるし・・・・・・すっごい小さい声で!
流菜ちゃんもボリューム落とそう?
でも神崎涼達はそんなのお構いなしに大声で話してるけど・・・。
・・・あの先生、注意する人間違えてるんじゃないですか?
「あのさー、このクラスに神崎君っているじゃん?」
流菜ちゃんの口から『神崎君』と聞いてドクン、と心臓が鳴った。
佳耶がめっちゃ嫌ってた奴だよね?
「・・・うん、知ってるよ?」
また噂かなあ?
流菜ちゃんは言いづらそうにして、そして口を開いた。



