切恋~First Love~



しばらく玄関の前にうずくまって、ボーッとしていると。




ゴンッ




「・・・いったぁ」


いきなりドアが開いて、あたしの頭に激突。


そして、中からパジャマ姿のお母さんが出てきた。


「あ!南美、アンタ何してんのよ!心配したじゃないっ」


今はそんなお母さんの態度の裏にある優しさにも、敏感になっているみたい。


止まったはずの涙が、またこみ上げてきた。


「・・・うん、ごめん」


うつむきながらそう言って、フラフラと家に入った。


「・・・南美、どうしたの?何かあったの?」


そんなこと言われたって、とてもじゃないけど親に言えるようなことではない。


「何でもない・・・」


あたしは持っていたコンビニの袋をお母さんに渡して、力なく階段を上る。


もう、今日は寝よう・・・。


「ちょっと大丈夫?アイス、食べないの?」


残念ながら、今は全くもってアイスって気分じゃない。


「うん・・・今日はもう寝る・・・」


「・・・そう?・・・じゃあね、おやすみ」


お母さんは多少心配しながらも、台所へ去っていった。


部屋に入り、一目散にベッドにダイブする。