神崎涼が好きだから、神崎涼に近づきたい。
佳耶が好きだから、神崎涼から離れなくてはいけない。
でも、離れたくない。
まるで、解答が用意されていない問題のよう。
考えても、考えても、一向に進まない。
涙が止まる気配もない。
悲しいとか、悔しいとかそういうのじゃなくて。
もうショックすぎて何も考えたくもない。
涙を止めるすべさえ、分からない。
でも無意識のうちに、悪い方にだけ頭を働かせてしまっている自分がいる。
歪む視界のまま、空を見上げた。
それはさっき感じたものとは大きくかけ離れていた。
重たくて、どこか寂しい。
キラキラ光っている星も、さっきとは打って変わって儚く映る。
・・・今の空は、まるで神崎涼のよう。
神崎涼という大きな空の下、たくさんの女の子の気持ちという星が輝きを放っている。
気持ちの強いものは強く輝き、その程度かというものは淡く光る。
でもよく見てみると、みんなそんなに変わらないね。
・・・あのピカピカ光ってる大きな星、あたしだったらいいな。
わずかながら他の星より目立っている星を見ながら、心の中でそうつぶやく。
この雄大な空をそんな風に見ている今の自分が、堪らなく滑稽に思えた。



