切恋~First Love~





隣を見れば、神崎涼。


上半身裸のまま、下は一応ちゃんとスウェットをはいている。


あたしは寝転がりながら、あぐらをかいてケータイをいじっている神崎涼を見上げた。


制服こそ着たものの、何だか分からない下腹部の痛みに見舞われている真っ最中。


だから神崎涼の家でしばらく休ませてもらうことにした。


あたしの視線に気付いた神崎涼はケータイから目を離し、突拍子もないこと言った。


「・・・さっきの感想は?」


ニヤッという擬音語がピッタリな顔をする。


不覚にも、あたしの心臓はそれに音を立てた。


「・・・か、感想っ?・・・え・・・な、ないっ!」


感想って・・・何て言えばいいの?


正直にないんだけど・・・。


「へーえ?あんなに感じてたのに、感想なしかよ?」


かかかかかっ・・・!


「普通は聞かない、そんなこと!」


「俺普通じゃねぇもん」


「屁理屈ばっかりっ」


「上等だっつの。さっきはあんなに・・・」


「もう!それは言わな・・・んんっ・・・・・・」


言い合いをしてると、神崎涼が覆い被さってきて口を塞がれた。


両手首を押さえつけられてるから、どうにもできない。


しばらく神崎涼は舌を動かしてあたしの口内を弄んでいた。


そして最後にチュッと艶やかな音をたてて、離れていく。


・・・こんな幸せなことがあるのだろうか。


1ヵ月前のあたしは、こんな関係になるなんて思ってもみなかっただろう。