「・・・っもういいだろ」
そう神崎涼が言った瞬間、甘い痛みが身体を走りぬけた。
「・・・ああぁっ・・・んぁ・・・・・・」
自分の身体の制御ができない。
もう、あたしの言うことを聞かない。
唯一従うのは、神崎涼にだけ。
甘い波が押し寄せては引き返し、押し寄せては引き返しを繰り返す。
ねぇ、今どんな気持ちであたしに触れているの?
ベッドのシーツが擦れあう音とあたしの声と神崎涼の息遣いだけが耳に入る。
一瞬、佳耶と流菜ちゃんの顔が頭をよぎった。
でもそんなこと考えられるほど、あたしは余裕じゃない。
今だけじゃない、いっつもそう。
あたしだけがドキドキして、気持ちだって一方通行。
今そばにいるこの男が、あたしだけのものになればいいのに。
かっこいいけど、俺様で性格も悪くて。
何でこんな奴を好きになったんだろう、って何度思ったことか。
だけど、今のあたしはアンタしか受け付けないみたいで。
それがまた悔しくて、ムカツク。
・・・けど、大好き。
とにかく好き。
大好きなんだ――――



