切恋~First Love~



それは裏を取れば、『何で誘ってこないの?』ってことだよね?


怖いから。


初めてだから。


初めてだって聞いて、呆れられると思ったから。


何て答えればいいの・・・?


「・・・えっと・・・時間がなかった、から・・・?」


タジタジの苦しい言い訳。


「嘘。本当は何だよ」


すぐさま見破られた。


神崎涼が真っ直ぐこっちを見ている。


本当のことを言ったら、どんな顔をする?


それが不安で仕方ない。


「・・・・・・っ・・・」


沈黙が続く。


その沈黙を破ったのは、神崎涼の呆れたような声。


「こんななら、あの時『うん』なんて言わなきゃよかっただろ」


その言葉が胸に突き刺さる。


あたしは純粋に神崎涼が好きなだけなのに。


こんなことしたかったわけじゃないのに。


もっと近づけると、勘違いしたから・・・。


もういい。


今のままじゃ絶対関係を切られる。


イチかバチかで本当のことを言おう。


それでダメなら・・・もう仕方ないんだ。


「・・・違う、聞いて。あたし・・・あたしね・・・?」


静かな空気が流れる中で、あたしの声が部屋に小さく響いた。