ゴッという音を立てて床に落ちたそれは、
「割れてるー・・・」
いちごのアイスだった。
「バカじゃねぇの・・・」
神崎涼は溜め息をついて、割れてないきれいなアイスを口に入れる。
「どうせそうですよー・・・」
部屋の真ん中に置いてある小さいテーブルに割れたそれらを置き、いじけながら1つずつ食べていく。
でも、神崎涼がアイスを持ってきてくれたことの嬉しさの方が勝っていたけど。
「・・・ずっと聞こうと思ってたんだけど、お前何で制服なわけ?」
「え、面談で学校行ってたから」
「ふーん」
反応、薄いし。
しばらくお互い無言でアイスを食べ続けた。
・・・何で呼んだの?
「ねぇ」
「おい」
聞こうと思ったら、あたしと神崎涼の声がきれいに被った。
「あ、お先にどうぞ・・・」
「なんだそりゃ」
あたしは神崎涼に順番を譲った。
あたしの、たいした質問じゃないし。
「んじゃ聞くけど。お前さあ、何で連絡してこねぇの?」
遠慮なく神崎涼は聞いてきた。
・・・え?
「こんなに長い間連絡してこない奴なんか初めてなんだけど」
あたしは何て返事をするか、迷った。



