普通乗り物が走りだす時って徐々にスピードを上げていくもんじゃない?
なのに、この男が運転するバイクは・・・。
「ねぇ、待って待って待って待って!早いっ落ちる、怖いぃぃっ」
何で初めっからこんなにハイスピードなんだろう。
「だから捕まれつってんだろ!」
神崎涼は怒鳴ってるんだろうけど、バイクのブオンブオンいってる音のせいで、あんまり聞こえない。
恥ずかしい、なんて言ってられない。
次は曲がり角だし・・・このスピードであそこ曲がったら絶対あたしは落ちるだろう。
半ばヤケクソで神崎涼にしがみつく。
抱きついた神崎涼の背中は大きくて、それが男を感じさせた。
・・・だからやっぱり、恥ずかしい。
「わああぁあぁあぁぁっ」
「うるせぇよっ」
神崎涼の家に着くまでに、あたしは何回か絶叫にも似た叫びをあげた。
遊園地のアトラクションに乗ってるようだった。
何はともあれ、何とか神崎涼の家に到着。
問題はここから・・・。
このまま家に入るの!?
入っちゃっていいの!?
ヤるの!?
「入れよ」
「・・・お邪魔しまーす」
わああぁぁん!



