切恋~First Love~



仮に、さっき流菜ちゃんがあたしの気持ちに気付いていたとしたら、あたしはどうしたんだろう。


嘘をついていたのかな・・・?


それとも、本当のことを言っていたのかな・・・?


・・・・・・分からない。



「・・・南美ちゃん・・・怖いよぉ~・・・」


神崎涼達が補習を受けているクラスを覗いた、流菜ちゃんの第一声。


何が、と思い流菜ちゃんの後ろから教室の中を覗く。


・・・・・・黒い。


何て言うか、教室全体のオーラが黒い。


ていうか神崎涼プリント全然やってない気がする。


周りの人と話してるだけ。


派手な男子とか・・・・・・女子、とか。


いつも教室であたしに見せる顔とは、全く違う顔でそこにいる。


何が違うのか分からないけど、でもどこか違うの。


その人達と話すときは、そんな顔をするんだね?


本当に楽しそうな顔、意地悪そうな顔・・・・・・。


やっぱり、そういう派手な人達と話してる方が楽しいのかなぁ・・・?


心のどこかでは分かってたつもりだけど・・・毎回の事ながら現実を見せられると、キツイ。


君が、あたしに少しでも触れるから。


少しでも笑顔を見せたから。


いちごみるくのあめなんかをくれたりするから・・・。


バカみたいに・・・期待しちゃったんだよ・・・。


・・・こうなることくらい、分かってたはずなのに。